Vietnam Investment Review

事業の買収は複雑な取引であり、最終的な価値は様々な状況によって決定される。RSM VietnamのパートナーであるLe Khanh Lam氏は、価値を最大化する最も効率的な方法は、M&Aマネジメントのライフサイクル全体のアプローチから始めることであると語っている。

M&Aの取引マネジメントの目的は、取引テーマとして定義された価値目標を理解し、買収初日からその価値をどのように獲得するかを明らかにすることである。このプロセスの本質はディスラプティブではあるが、よく練られたアプローチを利用することにより、価値を実現しPMI(Post Merger Integration、M&A後の統合プロセス)時間を短縮し、リスクを低減することが可能になる。

取引担当チームは、コミュニケーション、変更管理、タスク計画、予算編成、テクノロジーの統合と最適化など、効果的なPMIに必要な要素をコントロールする構造的なガバナンスモデルを準備しなければならない。

企業がM&A取引に関する広範な専門知識を持っている場合を除けば、適切なマネジメント・パートナー(アドバイザー)を選択することは非常に重要である。トランザクション中の予期せぬ障壁を乗り越えるためには、幅広い知識を持ち、数字以上の価値を提供できる、有能で信頼できるアドバイザーが必要となる。M&A取引の成功のためにアドバイザーに求められる重要な特徴は4つある。

幅広い知識と能力

M&Aの目的の多くは、規模の拡大に伴う収益シナジーやコスト削減を実現することである。成功の鍵となるのは、業界に対する組織の複雑性を十分に把握し、現在のオペレーションを修正することで、市場力学の活用、人的資本の活用、またテクノロジー投資からより良い価値を生み出し顧客や受注の獲得コストを下げることである。

シナジー効果による運用面での節約は、買収担当者がターゲット企業に対して適切な価格を決定することが最も価値を提供する。さらに、収益から売上原価、オペレーションコストに至るまで、お互いの義務の設定、目的・目標の設定、サービスやソリューションと資本配分の調整サポートがある。

さらに、税金控除やインセンティブ、オポチュニティ・ゾーンなど、バリュー計算で軽視されがちな2つの重要な分野も含めることが重要だ。

M&Aのアドバイザーは、すべてを投資テーマに結びつけるための、幅広いコンピテンシーを含む柔軟な経営コンサルティング戦略を提供する必要がある。

例えば、ITシステム、アプリケーション、先端技術、インフラ、品質、安全性、顧客満足度などの他の要素と関連する従業員数や作業量、自動化の可能性や、2つの組織が合併した際の価値創造に向けた第三者への支払いなどには、特に注意を払う必要がある。

価値創造の加速化

M&Aの価値は、シナジー効果だけでなく、取引のスピードによって決まる。つまり、取引の進行は、取引の種類や取引条件よりも、取引が完了するまでの時間が長ければ長いほど、コストが高くなる可能性がある

新たに統合された企業は、スムーズでタイムリーな移行を実現するために、移行サービス契約(TSA)に依存することがある。TSAは、売り手が買い手に所定の価格で提供することに同意する特定のサービスを定めたものである。これらのサービスは、統合企業がこれらの機能を自社で開発したり、第三者に委託したりする場合に比べて、大幅に高額になる可能性がある。

TSAは短期的には重要なソリューションであるが、非常に高価だ。最も優れたアドバイザーは、どのTSAからどの順番で撤退するか、適切な戦略的アプローチと優先順位、および適切なタイミングを決定するための支援を行う。この取引の最終目的は、アドバイザーを離れ、組織の全領域を経営陣の下に置き、売り手から独立して事業を運営することである。

有能なM&Aアドバイザーは、すべての機能や部門にわたるポートフォリオの運用を最適化するための必要な知識と、幅広く深い経験を持ち合わせている。この手順は、買収からエグジット・プランまでの取引について、適切な管理を支援することを目的としている。

包括的な手法

M&Aのような重要な分野では、「習うより、慣れろ」だ。アドバイザーは、確固たる取引マネジメントに関する専門知識だけではなく、プライベート・エクイティやパブリック・マーケットにおいて、完全な戦略を通じて実証的なビジネス価値を提供するための方法論を徹底的に開発する必要がある。これは、今日の複雑で予測不可能なM&Aの状況で特に重要だ。

取引の成功には、取引のライフサイクルを通じてリスクを最小限に抑え、投下資本に対するリターンを最適化するための、データに基づく洞察力と成果に焦点を当てたソリューションが不可欠である。M&Aアドバイザーは、単にスプレッドシートやデータベースを使って企業のシステムデータを評価するのではなく、インテリジェントな自動化を利用して膨大なデータセットをフィルタリングする必要がある。

これにより、関連するデータをより迅速かつ正確に検出することができ、取引の成功を確実にするための実用的な洞察を得ることが出来る。また、人を中心とした包括的なチェンジマネジメント戦略や、移行プロセスをエンド・ツー・エンドで把握できるダッシュボードを提示することにより、取引の進捗状況を迅速に把握することが出来るのだ。

価値創造を可能にし、活性化させるためのリソース

最高の価値をもたらす画期的な目標を達成するためには、ディリジェンスだけでなく、リスク、税務、テクノロジー、財務、会計など、さまざまな分野にまたがる広範で多様なチームが必要になるかもしれない。

M&Aアドバイザーは、迅速かつ効率的に取引を完了するために、財務・会計、人事、税務、オペレーション・サプライチェーン、製造などの重要な部門に関連するリソースを巻き込み、適切な質問をし、必要な専門知識とリソースを提供する能力を備えている必要がある。

また、取引マネジメントの経験があり、コスト削減や効率化の目標を達成するためのリソースを持ったアドバイザーを探すべきである。IT機能は、2つのビジネスを統合する際に見落とされがちだが、最も時間とコストがかかる。ITの能力を十分に把握していないと、100日の改善計画が1年以上かかってしまったり、解決しなければならない問題が大きすぎて完全に失敗することもある。

さらに、経営陣は適切なプロセスが導入されていなければ、情報に基づいたビジネス上の意思決定を行い、利益を増加させるための貴重なレポートを提供することができない。効率的なIT改革戦略は成功の重要な側面となる。

有能なM&Aアドバイザーは、既存のテクノロジーで何が可能かを洞察し、プロフォーマ維持費を計算し、統合に伴う一時的なテクノロジー費用を見積もり、投資テーマに応じて最も意味のあるソリューションやプラットフォームを提案することが出来る。

有能なM&Aアドバイザーは、シナジーを最適化し、ディールから最大限の価値を引き出すために、人、プロセス、テクノロジーを統合したM&A活動への包括的なアプローチを行う。

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